Story
気鋭の脚本家・辻岡恭子による演劇『鈍色のチョーカー』は評判が評判を呼び、東京での異例のロングランを終え、全国公演へ移ろうとしていた。プロデューサーの豊島万里は慰安も兼ねて、舞台の主要メンバーを北軽井沢の山中にある別荘へ招待していた。会社を経営している豊島が会社名義で慰安会や研修などに使うために買い上げたものだ。集まったのは、主演女優の朝霧サキ、共演の女優・京本まひる、同じく共演した俳優・暁零士、脚本・演出家の辻岡恭子、朝霧と京本のマネージャー梅崎歩、豊島が経営している劇場の管理人である桃谷雄一郎、そして豊島の7人だ。2泊3日の予定だったが、2日目の朝から大雪に見舞われた。降り続いた雪は1メートル近くに降り積もり、日が暮れる頃には道路が寸断された。そんななか事件は起こった。
夜22時30分、暁零士の悲鳴が別荘に轟いた!悲鳴を聞いて各自の部屋からリビングに集まった一同は雪にまみれた暁零士から衝撃的な一言を聞く。「朝霧さんが死んでる!!」急いで外にある倉庫に向う。するとそこには頭から血を流した朝霧サキの死体があった。豊島万里が警察に通報しようとスマホを取り出す。しかし、大雪のせいなのか電波が繋がっていない。「ねぇ、これ?」辻岡恭子が転がっているハンマーを見つける。暁零士がつかみ上げると血がついていた。「凶器?」と零士が呟いた。
なぜ朝霧サキは殺されたのか?事故なのか?殺人なのか?殺人なら警察に通報できなければ犯人が野放しになる。一同は朝霧サキの行動を追った。全員でとった夕食を終えて朝霧サキが部屋に戻ったのが21時。犯行は21時から現在までの1時間半で起きたことになる。空き巣や強盗などの可能性がないか、別荘に何台かつけられている監視カメラの映像を、豊島万里の部下でもある桃谷雄一郎が調べた。だが、怪しい部外者が映っている気配は、一度もなかった。いや、この日大雪で人影すら映っていない。「と言うことは、この6人の中の誰かが殺したことになるな?」と豊島万里が呟いた。「まさかこの中に?」恐怖の表情を浮かべる一同。「自分たちで犯人を見つけよう」豊島万里が提案した。反対するものはいなかった。6人は朝霧サキの死体を倉庫に置いたまま犯人探しを始めた。
Credit
- 総合演出
-
三木康一郎
殺人事件を推理し犯人を見つけ出すゲームをしながら、サスペンスドラマさながらの物語をアドリブで作っていく、今までありそうでなかった企画です。どうなるのかもわかりません、が、それが逆に面白いんじゃないかと思っています。役者たちの究極のアドリブの闘い。ご覧の皆さんに、役者の凄さや賢さ、瞬発力、そして芝居に対する熱い思いなんかが、このゲームを通してそして伝えられればと思っています。映画でもゲームでもない、リアルなエンターテイメント。皆さんご期待ください。
- ゲーム原作
- 秋口ぎぐる
- 企画
- 松竹 関西テレビ S-SIZE バルス
主催:「マーダーミステリーシアター『演技の代償』」製作委員会